書評

『書評』1%の努力

 

 

成功するために努力しろ

 

多くのビジネス書や、成功者はこう語ります。

 

しかし、著者はいかに自分が楽をするかにこだわって生きてきました。

 

努力しないことへの努力。

 

サボることへの飽くなき探究心。

 

これらをこの本から学びました。

 

常に競争を求められる時代で、日々疲れ果てている人へ、サボることの大切さを教えてくれる本です。

 

 

 

 

著者紹介

 

ひろゆき

本名 西村博之

1976年、神奈川県生まれ。

東京に移り、中央大学へと進学。

在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。

1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。

2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。

主な著書に、「無敵の思考」「働き方 完全無双」「論破力」などがある。

 

 

著書概要

第一刷発行 2020年3月4日

277ページ

発行社 ダイアモンド社

 

 

コンセプト

 

努力をしない

 

対象読者

 

働くということをもう一度考え直したい人

 

 

 

前提条件の違い

 

会話をしているときに突飛な話をしている人がいます。

 

多種多様な価値観を持っていることは至極あたり前のことですが、意見の食い違いから対立することもあります。

 

そんなときに、この人は変わった思考の持ち主なんだと考えるのではなく、自分とは前提条件が違うのではないかと考えることが大切であると著者は述べています。

 

著者がこのようなことを言うのは著者の生い立ちが関係していました。

 

東京都北区の団地で育った著者の周りには、生活保護を受けている大人がたくさんいて、大人が働いていないと言う状況が当たり前でした。

 

団地は収入が増えると家賃が高くなるため、離婚届を出し、片親家庭となることで家賃が高くなることを避けることも当たり前でした。

 

運営者の価値観で言うと、離婚する。生活保護を受けるというのは、当たり前ではないですし、明らかに少数派です。

 

しかし、それは著者の価値観とは全く異なっています。

 

ここから、やばいの基準を低めに設定することが大切だと述べています。

 

高く設定するとそれを維持することが大変になるからです。

 

新しい環境に入ったときに、自分をよく見せようと頑張っては見るけれども、後々しんどくなってくることと同じです。

 

自分より生活水準が低い人を見ると、自分が最低ではないと思え、心に余裕ができます。

 

その本人が楽しんでいるのであれば、他人がどうこう言う必要はないのです。

 

上を見たり、下を見たりで人と比べることを否定はせず、考え方次第で楽になるスキルは身につけていた方が良い。ということをこの話から学びました。

 

考え方を変え、心に余裕ができるとチャンスを掴むことができます。

 

今の生活を生き抜くのに精一杯になっている人は、目の前をチャンスが通り過ぎるのに気づきもしません。

 

片手は常に開けておけ

 

この言葉が運営者に響きました。

 

 

 

物事に優先順位をつける

 

何をするにしても優先順位をつけなければなりません。

 

自分の今いる状況、時間的制約、あらゆることを考えながら比較し、順に対処していきます。

 

著者は、優先順位の大切さをある大学での講義内容を用いて述べています。

 

ある大学で満杯の壺という授業があったといいます。

 

教授は、ツボに一つずつ岩を詰め始めました。

 

そうして詰め終わった後、「このツボは満杯か?」と学生に尋ねました。

 

「はい」と学生は答えました。

 

しかし、その後教授は砂利をそのツボに詰め始めました。

 

そして、同じように「このツボは満杯か?」と学生に尋ねました。

 

学生は答えらえません。するとある学生が「多分違うだろう」と答えました。

 

教授は「そうだ」と笑い、水をそのツボに流し込みました。

 

 

この話で大事なことはなんでしょうか?

 

どんなに忙しくても、予定を切り詰めればスケジュールを開けることができる?

 

いいえ、そうではありません。

 

大きな岩を最初に入れない限り、のちにそれが入る余地はなくなると言うことです。

 

大きな岩とは、一番大切なことを表しています。

 

つまり、優先順位をつけ、優先度の高いものから詰めていかなければ、

 

後でそれに取り掛かることは不可能になる

 

ということです。

 

優先順位をはっきりさせると、譲れないものがわかり、そこから逆算して物事を考えることができます。

 

ただ、その後の生活で情報が増え、優先順位の軸が変わってしまうこともあります。

 

そこで大切なのが

 

それは修復可能か?

 

と言うことです。

 

もし、修復可能ならそれを後回しにすることができます。

 

無我夢中で物事に取り組むこともいいことかもしれません。

 

しかし、ふと立ち止まって見ると、やっておくべきだったことがはるか後方にあるかもしれません。

 

一度立ち止まって、冷静に優先順位をつけることの大切さを著者と、講義の話から学びました。

 

 

仕事の正しい選び方

 

社会人の皆さんは仕事を決めるときに、何を基準に選びましたか?

 

給料の良さ

福利厚生の充実性

勤務地

 

など判断する要素は多岐にわたります。

 

著者は、その一つの判断材料として

 

社会にとって必要かどうかよりも自分にとって必要かどうかを軸にする

 

ことを挙げています。

 

好きなことで生きていく

 

というキャッチフレーズをこの頃よく耳にします。

 

ただ、好きを仕事にするのではなく、体験として考えることの重要性を述べています。

 

なくなったら困る体験は何か?

 

2ちゃんねるを例に出すと、匿名で自分の意見を吐き出す場所は必要とされます。

 

著者は、それをビジネスとして展開していきました。

 

絶対に必要なことはなんでしょうか?

 

そこにビジネスの蕾が隠れているかもしれません。

 

 

 

どちら側の人間になるか

 

世の中は、何事も二分化されます。

 

魚が好きな人間 嫌いな人間

 

アウトドア派  インドア派

 

などさまざまです。

 

運営者は、魚介類が一切食べられず、インドア派です。
tanaka

 

著者は、システムを作る側の人間 コンテンツを作る側の人間 と二種類に分け

 

理想の経営者像について語っています。

 

著者はシステムを作る側の人間、つまり場所を提供する側の人間でいたいと語ります。

 

場所があれば人は動き始める。

 

公園があれば勝手に人が集まり遊び始める。

 

場所を作ると言うことは人が活躍する機会を提供すると言うことであり、著者はそれを楽しみながらビジネスを展開させました。

 

二分化されるということは、自分がそのポジションのことだけを知っていればいいということではありません。

 

自分以外のポジションにいる人の世界を理解することの重要性についても語っています。

 

プログラミングを書いたことのある経営者とない経営者では現場の状況の理解に差が生じます。

 

良い経営者とは、物事を俯瞰してみて、現実的で適切な判断を下すことができます。

 

運営者は、著者の活躍をよく検索してみたりします。

 

その一つにディベートに参加するものがあります。

 

ディベートとは、与えられたお題に対して、自分の意見がどうであろうとその役割に徹しなければなりません。

 

著者は、自分の意見は強く持っていますが、どちらの意見であっても、理論的に展開していきます。

 

これができるのは、どちらの立場も深く理解しているからであると感じました。

 

 

本音で語る

 

皆さんは会議や、集団の場でどのくらい発言しているでしょうか?

 

著者は、会議の場では積極的に発言し、これの重要性について語っています。

 

それは

 

実作業が自分に回ってくる可能性が低くなるから

 

です。

 

何も発言していない人が何もしていない罪悪感から、心理的に自分がやりますと手を上げてくれるからです。

 

この考えは確かにそうだと運営者にはなかった考え方です。

 

発言力を持つことが、その後自分が動かなくてもいい口実になるという考え方はこの本で得た、新しい発見です。

 

いつだって、発信者は強い

 

積極的に発言することの重要性を学びました。

 

 

ユニークであれ

 

ここで、発信者になるためのポイントについて著者はこう考えています。

 

逆張りで考える

 

周りから頭ひとつ抜きん出るためには、違う視点から物事を捉えることが大切であると述べています。

 

変わっていることをよしとしない日本の風潮があります。

 

日本は巨大な民族国家で他人に迎合しやすいからです。

 

みんな足並み揃えて、同じ方向に進むことがよしとされています。

 

人と少し違うことは何か?

 

自分が興味を持っていると言うことが普通と思っていても、人と話すことによりそれが変わっていることが顕在化することもあります。

 

自分の変わった特徴を探しながら、日々生活したいと思います。
tanaka

 

 

しぶとく生きる

 

皆さんは、自分を図太い人間だと思いますか?

 

運営者は、図太い人間だとは思いません。

 

人との関わりを極力避けて、無理な頼み事などもすることなく生きてきました。

 

著者は、タクシー代や宿泊代だけでも工夫を凝らして交渉すれば、得をすることができるとして、図太く生きることが大切であると述べています。

 

一泊止めてもらえる友人が7人いれば、一週間タダで暮らしていけるし、そこに他の友人を呼んでパーティーを開くことでご飯代もタダにすることができます。

 

一見図々しいと思われるこの行動ですが、ここに著者の人に取り入る能力を感じました。

 

運営者は無駄に気を使う傾向があり、他人に頼むくらいであれば自分でなんでもしてしまう方がよいと考えます。

 

友人に頼み事をしたり、迷惑をかけてしまうのではないかと余計な心配をしてしまいます。

 

しまいには、買い物をしているときには、目的のものがどこにあるのかを聞くことができず、店内をうろうろ彷徨ったりもしています。

 

著者の一見面倒な人のように思えても、周囲の人々が受け入れてしまうような魅力をつけると言うことは大変難しいですが、生きていく上で重要なスキルであると感じました。

 

終わりに

 

最初にも述べたように、頑張ることが正義であるという風潮があります。

 

会社でも、残業を多くしている人は頑張っていると間違った評価をされることがあります。

 

頑張るという言葉は抽象的で、人それぞれの基準があるとは思います。

 

日々の生活に疲れた時は、この本のコンセプトのサボることを頑張ってみてもいいのではないでしょうか。

 

この本に書かれていることは、一般論とは程遠く、著者の価値観が満載でとてもワクワクするものでした。

 

ぜひ手に取って欲しい一冊です。

 

 

 

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