書評

『書評』2040年の未来予測

 

 

5Gは時代遅れである

 

 

この言葉を聞いて驚く人が多いと思います。

 

まだ、身近に利用すらできていない5Gですら、もう過去の産物です。

 

2040年、利用開始に向けて、6Gサービスが開発されています。

 

これを聞いた時、運営者は時代に取り残されているような感覚でした。

 

将来何が起きるのかということは、誰も断言できません。

 

私たちの知らないところで、時代は動いています。

 

私たちの将来何が起きるのか覗いてみましょう。

 

 

 

著者紹介

 

成毛 眞 (なるけ まこと)

1955年 北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。
1986年 マイクロソフト株式会社入社。
1991年 同社代表取締役社長就任。
2000年 退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイト「HONZ」代表も務める。

主な著作 「amazon 世界最先端の戦略がわかる」
「アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト」
「バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる」

 

 

著書概要

 

第一刷発行 2021年1月12日

271ページ

発行社 日経BPマーケティング

 

 

 

コンセプト

 

テクノロジーの進歩がもたらす変革

 

 

対象読者

 

将来に興味がある人

 

 

 

5Gとは

 

5Gスマホという言葉をよくCMで耳にします。

 

しかし、まだ実際に利用している人は少ないと思います。

 

まず、5Gとは一体何なのか? それによって生活がどのように変わるのかということから始めます。

 

5Gとは最新の通信規格の名称で、Gは「generation」(世代)の略です。

 

日本では、2020年から実用化されています。

 

これによって私たちの生活がどのように変化するのでしょうか?

 

 

多くの情報を高速で伝えることができるようになる

 

 

ということです。

 

現在の主流な通信規格の4Gから最大100倍の通信速度になります。

 

 

、、、信じられないですよね

 

 

通信速度が速くなるということは、言い換えると情報伝達量も多くなるということです。

 

 

YouTubeなどで動画を見るとき、よりスムーズで固まることなく楽しむことができます。

 

 

では、これがテクノロジーでどのように役に立つのでしょうか?

 

 

現在、特に高齢者の自動車事故が問題になっており、自動運転技術の開発に多くの企業が乗り出しています。

 

 

自動運転技術に最も必要なことは、遅延がないということです。

 

 

自動運転車と人が運転している車が混同する世界では、人によるイレギュラーが発生します。

 

 

それにいかに早く対処するかというのが重要です。

 

 

5Gで高速通信、低遅延が可能になることにより、そのような状況にも、柔軟に対処できます。

 

 

自動運転には必要不可欠な通信技術だということがわかります。

 

 

もし、全ての車が自動運転車になるような世の中になれば、5Gの特徴である多数同時接続も重要になってきます。

 

 

これにより、全ての車が管理されているため、信号も必要なくなるかもしれません。

 

 

5Gは我々の生活を大きく変化させるものだということがおわかりいただけたでしょうか。

 

 

ここで冒頭で触れた、6Gについて少し説明します。

 

 

6Gは、5Gに次ぐ通信規格で、2030年に実用化が予定されています。

 

 

これは、5Gの10〜100倍の通信速度という予測があります。

 

 

著者によると、これは2時間の映画のダウンロードが1秒未満になるそうです。

 

 

ここまで、新しい通信規格のメリットばかり述べてきて、いいことばかり?と思っているかもしれないのので、これらが抱えている問題についても述べておきます。

 

 

どこでもデータが蓄積されるので、24時間監視されている感覚になる

1つのデバイスに不具合が生じると、接続されている他のデバイスにまで影響が及ぶかもしれない

 

 

 

ということです。

 

 

このように多数のデバイスが接続されるがゆえの問題も知っておかなければいけません。

 

 

他にも様々な驚くべき生活の変革について記されていますが、実際読んでみて確かめていただきたいです。

 

 

ドラえもんの世界のような近未来感です。

 

 

誰もがワクワクすると思います。

 

 

 

 

無人店舗が当たり前に

 

 

日本の総人口は2019年時点で1億2612万7000人です。

 

 

2040年には、1億1000万人、20年で1500万人以上減少するという予測があります。

 

 

かつ、生産年齢人口の減少も加速し、2040年には6000万人になり、深刻な働き手不足に陥ります。

 

 

三人に一人が老人になるということです。

 

 

 

ここで著者は、Amazon Go というAmazonが提供しているサービスを用いて、無人店舗を説明しています。

 

 

Amazon Goの仕組みは、入り口に改札のようなゲートを設置し、入店します。

 

 

そして、商品を手に取り、ゲートを通過すると課金システムでアプリから支払いが完了する仕組みです。

 

 

 

企業側の利点としては、

 

 

人件費の削減

アプリに顧客情報を入力しているので、どの客層がどんな商品を好んで購入しているかというデータが取得できる

店舗ごとに最適な商品の陳列が可能になる

万引き防止になる

 

 

ということです。

 

 

少子高齢化が進み、働き手が不足する中で、画期的なサービスとして無人店舗が普及すると、著者は予測しています。

 

 

実際、運営者は冷凍餃子の無人販売所を目にしたことがあります。

 

 

冷凍餃子を陳列しておくだけの簡素な場所でしたが、コロナ禍で不要な接触が避けられる中、このような販売方法は普及してほしいと思います。
tanaka

 

 

 

 

 

中国の信用スコア

 

 

中国は、GDP(国内総生産)がアメリカに次いで、世界第二位だということはご存知でしょうか。

 

 

中国は急速に発展しており、中国製の商品や、サービスをよく目にするようになりました。

 

 

 

なぜ中国は短い期間で発展することができたのでしょうか?

 

 

中国は社会主義国家で、国主導で事業を行うことのできる体制です。

 

 

なので、他国ではグレーとされる事業にも積極的に投資することができます。

 

 

ここで、著者は中国で実際に行われている格付け制度について言及しています。

 

 

このランクは、信号無視や犯罪などを犯すと下がってしまいます。

 

 

ランクが高いほど、医療制度を優先的に受けることができたりと様々な特典がついてきます。

 

 

結婚する際にも、このランクが考慮されるなど非常に大きな力を持っているようです。

 

 

やりすぎであるとの声もありますが、これにより犯罪が抑制できるという側面もあり、治安維持に活用されています。

 

 

この制度が、良いか悪いか一概には言えませんが、中国の発展にはこのような仕組みの違いが存在したんですね
tanaka

 

 

 

 

エネルギー

 

 

電気自動車を街で見ることはあるでしょうか?

 

 

徐々に増えてきていますが、そう多くはありません。

 

 

電気自動車を導入するには、まだまだ問題が山積みだからです。

 

 

ガソリンスタンドのような電力補給地点の設置が普及していない

一度の給電で走行できる距離が短い

 

 

これらが主な問題です。

 

 

この二番目の問題を解決する方法が全個体電池であると著者は述べています。

 

 

全個体電池とは、電解液を使わず電極間を固体で繋ぐ電池です。

 

 

簡単にいうと、電池の中の液体が固体の電池です。

 

 

電池で液漏れなどをした経験があるのではないかと思います。

 

 

その溶液の代わりに固体の物質を使用しているものです。

 

 

これにより何が改善されるかというと

 

発火のリスクが低い

超急速充電が可能になる (発熱リスクの低さによる高速充電への対応)

エネルギー密度が高い (小さな電池に多くの電力が蓄えられる)

幅広い温度帯への対応

劣化しにくく、長寿命

https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/all-solid-state-batteries/引用

 

 

このように、電気自動車が抱えている問題を解決する糸口として全固体電池が注目されています。

 

 

2040年には、自動運転の電気自動車が行動を走り回っているのでしょうか、、、
tanaka

 

 

 

少子高齢化

 

ほとんど毎日耳にするこの言葉。

 

 

電車に乗っても、街に出ても高齢者を見る機会が多くなりました。

 

 

この前電車に乗ったとき、僕以外の全員が高齢者だったときにそれを痛感しました。

 

 

高齢者が増えることにより、医療費などの社会保障費の増加で、ますます若い世代の負担は増加します。

 

 

医療の発達による長寿命化はいいことなのは間違い無いです。

 

 

著者は、全ての問題は高齢者が増えることだと述べています。

 

 

また、高齢者が増え、医療費が増えていく中、この問題を解決するのはテクノロジーだとも述べています。

 

 

社会構造が大きく変わり、そこで活躍するのはテクノロジーです。

 

 

先ほど述べた、無人販売も労働者不足を解決するために導入すべきだという意見を持ちました。

 

 

 

 

天災

 

 

近年、全国的に地震が多発しています。

 

 

東北地方で起きた3.11地震は私たちに大きな被害を与え、そこから多くのことを学びました。

 

 

著者は、南海トラフ地震、首都直下地震は必ず起こると予測しています。

 

 

マグニチュード9クラスの南海トラフは30年以内に70〜80%

 

 

マグニチュード7クラスの首都直下地震は、30年以内に70%の確率で起こると予測されています。

 

 

運営者は、この数字に驚きました。

 

 

地震が身近なものだという認識が甘かったです。

 

 

自身は必ず起こることで、避けることのできない問題です。

 

 

著者は、大事なことは、個人で準備し、迅速に対処することと述べています。

 

 

3.11地震の教訓で、先日発生した東北での震度7の地震でも被害は最小限に抑えられました。

 

 

天災から学び、それに適応することが大切ということを常に考えましょう。

 

 

 

 

また、地球温暖化も私たちが直面している環境問題の一つです。

 

 

海水温度の上昇による、海面の上昇で沈む危機にある島がたくさんあります。

 

 

また、水中の生態系にも大きな影響を与えています。

 

 

環境問題の対策として、レジ袋有料化が導入されました。

 

そのおかげで、マイバッグを持っている人が急激に増加しました。

 

 

これは環境問題解決に、良い方向に進んでいると思います。

 

 

一人一人の環境問題に対する考え方をあらためていくことが大切だと感じました。

 

 

 

終わりに

 

 

この本を通して、日々の変化に適応する人間が生き残るというメッセージを感じました。

 

 

変化は止めることができません。

 

 

変化しない日本の経済が停滞して、衰退の一途を辿っていることもそういうことだと思います。

 

 

2040年までに、生活は大きく変化します。

 

 

その変化を良い方法に持っていけるかどうかは、今にかかっています。

 

 

それをこの本から感じました。

 

 

ぜひ、手に取っていただきたい一冊です。

 

 

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